【宝石の見分け方】②ダイヤモンドの品質と4C【鑑定】【鑑別】

ダイヤモンド 宝石

ダイヤモンドの品質を見分ける上で重要なダイヤモンドの4Cについて解説します。

  • ダイヤモンドの4Cとは
  • Carat カラット
  • Cut カット
  • Color カラー
  • Clarity クラリティ
  • 4C以外のポイント

ダイヤモンドの4Cとは

ダイヤモンドがイケメンかブサイクかを決める基準です。

世の中には野菜や魚や車などいろいろなものが存在します。
そして元は同じものでも形や色や大きさなどで良いものからそうでないものに分かれます。
それは一定の基準があることで分けることができます。

例えばテレビを見ていてイケメンのタレントやブサイクなタレントを見る事はよくあります。
このイケメンやブサイクというのは特に世界的に決まった基準はありません。
自分が感じた基準になります。自分で意識はしなくても自分の中に基準があるのです。
昔はダサいと思われていたファッションが流行ったり、その逆もありますね。
また人々がイケメンだと言われるとそう思えてくるところもある、結構あいまいな基準でもあります。

ダイヤモンドについても同じことが言えます。
人によってはブラウンカラーが好きだったり、形もハート型のほうが好みだったりとバラバラです。
しかし基準がバラバラだといろいろと問題がでてきます。
そこで一定の基準が必要になります。

ダイヤモンドはGIA(アメリカ宝石学会)が決めた基準が世界的な標準になっております。
①Carat カラット(重量) ②Cut カット(研磨) ③Color カラー(色) ④Clarity クラリティ
これらの4つの基準の頭文字のCを取ってダイヤモンドの4Cと呼ばれます。

Carat カラット

カラットとは重さです。
重さが増えると大きくなりますのでよくカラットの事を大きさに間違えられることが多いです。

1カラットは0.2gです。
これはダイヤモンドだからではなく、他の宝石も同様です。

カラットについて近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

カラット carat (ct)

宝石の重量の計算単位であり、現行のものはメートル法によって1ctは0 .2g、すなわち200mgと制定され、 国際的に広く採用されている。
カラットの語源は、古くからアフリカ、インド、オリエント諸国において通用した量目から転じたもので、常に一定の重量の果粒であるクアラ (kuara) の実、あるいはカロブ (carob、イナゴ豆) の実が、 宝石計量の錘として用いられたことに由来している。
カロブから古代ギリシア語のケトラス (keras) に転じ、更にケラチオン(keration) となり、カラットの語に転じたものである。
古いカラット、すなわち旧カラットと呼ばれる単位は、各国、各地でまちまちであり、1ct が195mg~205mgであったが、1908年以降順次各国で1ct=200mgとするメートル・カラットが採用され、今日に至っている。
なお、1ctは4グ レーン、あるいは100ポイントに相当する。

きゅうカラット 〔旧ー-] old carat

宝石の重量の計量単位であるカラットは、きわめて古い時代から使用されて来ていたが、地域的に統一がなく各国、各地でその実重量に差異があった。
1カラットにつき、イタリア =188.5mg、アムステルダ ム=205.7mg、フランス=205mg、ドイツ=205.5~205.8 mg、イギリス・アメリカ=205.3mg、アラビア=254.6mgなどであった。
19世紀末には統一化の提唱もあったが 実現せず、パリの国際度量衡局のC. E. ギョームは国際度量衡会議 (メートル法会議) にしばしば提案 して、200mgをもって新制の1ctとして、従来の旧カ ラットに代えることを推進した。
その結果1905年の会議において国際的な統一が決定された。
多年の商習慣を破っての新カラットの実施は、混乱を危惧する結果なかなか実施にいたらず、1908年のスペインを皮切りにイギリスを最後として1914年までに、世界 18か国がメートル・カラットを採用するに至った。
わが国での新カラットの法定は1909年11月11日 (ジュエリーデー)である。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

カラット単価とは1ctあたりの単価です。海外では「バーカラット」日本では「ガイ」といわれる場合があります。

例: ガイ10万円でダイヤが0.3ctの場合は 100,000円 × 0.3 =30,000円となります

カラットの表示方法

カラットで1/100までの精度(小数点以下2桁以上)で表します。

カラット数は下3桁まで計測し、その下三桁目は四捨五入ではなく八捨九入です。


0.998gの場合は0.99ct
0.999gの場合は1.00ct
0.999g から 1.008gまでが1.00ctとなります。

カット石のカラット概算法

ダイヤモンドのカットの形で大体の重さを計算することができます。

それではその概算方法について近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

カットいしのじゅうりょうがいさんほう〔 –石一重量概算法) weight’s estimation of cut stone

ブリリアントカット石の重量は、その石のカット形 の長さ、幅、深さの積にある定数を乗ずることによって、その概算値を求めることが出来る。

ラウンド・ブリリアントカットの場合:
(直径÷2)²×深さ×0.0245

エメラルドカットの場合:
(長さ一幅÷3) ×幅×深さ×0.013

マーキーズ・ブリリアントカットの場合:
(長さ一幅÷3)×幅×深さx0.0077

梨形ブリリアント・カットの場合:
長さ×幅×深さx0.0062

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

カラットと大きさの比較

ジュエリーによく使われるダイヤモンドは0.05ctぐらいから1.00ctぐらいまでが多いです。
0.20ct未満のダイヤモンドはメレダイヤと呼ばれております。

ラウンドブリリアンカットのダイヤモンドの場合、カラット数と直径が大体ですがわかります。
ダイヤモンドゲージはAmazonなどで検索すると1,000円前後ぐらいで販売されております。

サイズ
0.3 ct : 4.35 mm
0.5 ct : 5.15 mm
0.75 ct : 4.35 mm
1.00 ct : 6.50 mm
1.50 ct : 7.43 mm
2.00 ct : 8.18 mm
3.00 ct : 9.37 mm

ダイヤモンドの直径と高さによって若干変わってくるので大体これぐらいという感じです。
特に基準となる1.00ctの大きさは覚えておいたほうが良いですね。

Cut カット

カットとは研磨です。
見た目(プロポーション)と研磨がとても重要です。

カット次第ではとても輝くダイヤモンドになる可能性があります。
(そこそこの品質の上でなのですが)

カットについて近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

カット (グレーディング) Cut (grading)

ダイアモンドのグレーディングの4 Cの1つで、その輝きの良否を決定する重要な要素である。
カットのプロ ポーションを測定した結果により、総合的にベリー グッド、グッド、ミディアム、プワーの4段階、場合によっては5 段階方式で評価が行われれる。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

GIAによるカットは基本的に5段階評価です。

EXCELENT
VERYGOOD
GOOD 
Fair
Poor

Color カラー

無色透明から黄色にかけての色合いを基準にしております。

ダイヤモンドのカラーは無色透明から少しづつ黄色になるにつれて品質が下がります。
ピンクや青など特別な色や、黄色が強烈に濃くなると価値が見いだされて価格が高くなります。
ブラウンやブラックは一般的に工業用に回されるカラーです。

カラーについて近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

カラー Colour

ダイアモンドのグレード基準の4Cの1つで、ダイアモンドの色そのもの (ファンシー・カラー ダイアモ ンド) ではない。
無色を主体とするホワイト系の石の中に、僅かのイエローないし僅かの暗色を帯びると、その価値決定に明らかに差異が生じてくるが、この等級分類をカラー・グレードという。
カラー・グレードの表示方式には、ヨーロッパにおいて従来から用いられてきたリバー・ツー・イエロー・システムや、広く用いられているホワイト ツーイエロー・システムがある。
またアメリカのGIA制定によるDから始まるアルファベット表示方式、AGS制定による数字による表示方式があり、更にCIBJO と HRD によりホワイト・シス テムが決められている。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

GIAによるカラーはDから始まるアルファベット順で無色透明から少しづつ黄色が入るごとに下がります。
(カラーダイヤは別の基準になります)

D E F (colorless)
G H I J (Near Colorless)
K L M (Faint Yellow)
N – R (Very Light Yellow)
S – Z (Light Yellow)

Clarity クラリティ

クラリティとは透明度です。

天然ですので内包物はあって当たり前ですが、無いほうが品質は高いです。

クラリティについて近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

クラリティclarity

ダイアモンドのグレード基準の4Cの1つで、本来は透明度、純粋さなどの意であるが、カット石の内部欠陥(フ ロー,フォールト)や外部の僅かの仕上げ欠点 (プレミッシュ)を含んだグレード決定の基準の1分野である。
クラリティのグレード方式ではクリーン方式やスライト・インパーフェクション方式などは事実上廃止されGIAがピケ石にIの表記をする他はスモール・インクルージョン方式である

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

GIAによるクラリティは6段階評価です。
F (Flawless)
IF (Internally Flawless)
VVS (Very very Slightly Included)
VS (Very Slightly Included)
SI (Slightly Included)
I (Included)

4C以外のポイント

蛍光性の強弱です。

ダイヤモンドは炭素の結晶体ですがごくわずかな不純物が含まれております。
その不純物に紫外線が当たると蛍光反応を示します。

発光性の強弱により5段階に分類されます。
None
Faint
Medium
Strong
Very Strong

蛍光性は昔は品質に影響を与えないと言われておりましたが、近年は影響を与えてるといわれるようになりました。

ダイヤモンドの品質を見る場合は、4Cの各項目のどのランクに該当するかを確認して最後に蛍光性を判断します。
そうすることでそのダイヤモンドはどのぐらいイケメンなのかブサイクなのかが一定の基準の上で判断ができるようになります。

以上「【宝石の見分け方】②ダイヤモンドの品質と4C【鑑定】【鑑別】」でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。