【貴金属の見分け方】 ① 貴金属とは【鑑定】

貴金属

今回は貴金属を見分けるに当たりそもそも貴金属って何?といった所を解説します。

  • 貴金属とは
  • 代表的な貴金属は3種類
  • プラチナとホワイトゴールドの違い

貴金属とは

希少性・永遠性・美しさを備えた金属です。

それではまず貴金属について近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

ききんぞく[貴金属] noble metal
金、銀、及びルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、プラチナを含む白金族元素のように、空気中で熱しても酸化しない金属で、簡単に化学変化を受けないで美しい金属光沢を示す金属をいう。
これらの金属は産出量が少なく、高価なものが多い。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

産出量が限られているので希少性があります。
また、化学反応を起こしにくいので綺麗な状態を保つことができます。
例えば金はそのまま置いていると必ずくすんできますが、少し磨くと元の輝きを取り戻します。
シルバーもそんな感じですね。

代表的な貴金属は3種類

特に代表的な貴金属といえば金/ゴールド(Au)・白金/プラチナ(Pt)・銀/シルバー(Ag)の3種類が挙げられます。

ではこの3種類について宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

金/ゴールド(Au)

引用

きん(金) gold

元素記号: Au
原子番号: 79
原子量: 196.967
硬度: 2.5〜3
比重: 19.36
融点: 1064℃

黄金ともいう。
金は恐らく人類が最初に用いた金属と考えられ、7,000年以前のエ ジプトの石器時代に既に用いられていて、銅器に先んじている。
南米のコロンビア、ペルーなどの原住民の祭器や日常の利器が全て黄金製であったことも良く知られている。
色 黄金色を示す代表的な貴金属。結 等軸晶系。産状 通常は不規則形の網状あるいは樹枝状などで産出することが多い。
主として自然金として石英鉱脈中などに山金の形で産し、また風化作用により漂 砂鉱床中に砂金となって産出する。
展性、延性は金属類中随一で、金箔は厚さ10cm(1万分の1mm)位1gの金は3,000mの針金に引き伸ばすことが出来る。
銀、銅に次ぐ電気の良導体である。
単独の酸に対しては安定であるが、王水に溶けて塩化金酸をつくる。
そのセレン酸、酸素の存在するシアン化アルカリ液(例えば青酸カリ液)に溶ける。
貨幣用、工芸用、歯科用などの他、宝飾用貴金属として最も重要であることは衆知の通りである。
純金(ファイン· ゴールド、K24)やその合金(カラット・ゴールドあるいは白金族元素との合金として用いられる。
金の主要な産出国は南ア(共)、カナダ、アメリカ、オーストラリア、及びロシア(連)などで、世界の地金の取引中心の第一はロンドン市場である。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

金ほど有名な貴金属は他に見当たりませんね。
2020年8月には金の相場が過去最高を記録した事も記憶に新しいです。

銀/シルバー(Ag)

引用

ぎん(銀] silver

元素記号: Ag
原子番号: 47
原子量:107.868
硬度: 2.5〜3
比重: 10.53
融点: 962℃
金属元素の1つ。色 銀白色を示す貴金属である。
結 等軸晶系に属する。
産状 通常は樹枝状、苔状などで産出することが多い。
天然には輝銀鉱(Ag2S)などの他、批素、アンチモン、ビスマスなどの複硫化物として、更に2次的生成の自然銀として産出する。
展性、延性に富み、電気及び熱の伝導率は金属中で第一である。
水及び酸素に対しては安定であるが、硫黄、硫化水素によって硫化銀(Ag.S) を作って黒変し易い。
硝酸に容易に溶けて硝酸銀を生ずる。
宝飾品はもとより、銀器、貨幣、感光材料、電気部品材料として重要である他、各種の合金として広範な用途を持つ。
メキシコ、アメリカ、カナダなどが主要な産地である。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

銀については希少価値と言われると金と比較するとかなりお安い感があります。
また変色しやすい特徴もありますので、なぜ貴金属?という感じにもなりますよね。
現在の需要と供給だけを見ると金額的には下に感じますが、古くから銀は装飾品や貨幣として使用されてきました。
歴史的な背景が貴金属としてのポジションにある要因だと思います。
また、金と比較すると価格は低いと思いますが鉄やアルミなどの金属と比較すると希少性が出ます。
銀は1gいくら?ですがアルミや鉄は1kgいくら?なんです。
単位が違いますね。

白金/プラチナ(Pt)

引用

プラチナ platinum

元素記号: Pt
原子番号: 78
原子量195.1
硬度: 4.3
比重: 21.3
融点: 1772℃
その色から和名は白金という。
プラチナの語源はスペイン語のplata(銀)に由来している。
略号としてpmがしはしば使われている。
白金族元素の代表的なもので、灰銀白色の貴金属である。
結 等軸晶系。
産状 自然白金(純度70~80 %)、硫化物、磁化物などとして超塩基性岩中の第一次鉱床、あるいはそれから導かれた二次的な漂砂鉱床中に産出する。
貴金属の特徴の1つとして、展性、延性に富む。空気中で高温度に熱しても酸化せず、酸類に不溶であるが、王水、苛性アルカリに侵される。
宝飾用として大きな用途を持つ他に、触媒、坩堝(るつぼ)熱電対 (熱電対温度計)、電極(電気分解)などの工業用に重要な用途を持つ。
ロシア(連)のウラル地方、南ア(共)、カナダ。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

プラチナについては日本とそれ以外の国での扱われ方がかなり違います。
海外では宝飾品よりも工業製品に使用されている場合が多いです。
(例えば自動車の排気ガスの触媒など)
日本人は金よりもプラチナが大好きです。
ギラギラした金より控えめなプラチナを好みます。
昔は婚約指輪に使われる貴金属はほぼプラチナでした。
(現在はホワイトゴールドも増えているようです)

プラチナとホワイトゴールドの違い

プラチナとホワイトゴールドを混同される場合が多いです。
おそらくプラチナを白金と書くので混同しやすいのかもしれませんね。

そもそもプラチナとホワイトゴールドは全く違う金属です。

まず単純に考えると金とプラチナは違いますよね。

金にいろいろな金属を混ぜて白くしたものがホワイトゴールドです。
ホワイトゴールドは主にパラジウムや銀・ニッケルなどを混ぜてできております。

日本では宝飾品としてのプラチナ需要が高いですが、世界ではプラチナよりもホワイトゴールドが一般的です。

以上「【貴金属の見分け方】 ① 貴金属とは【鑑定】」でした。
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