【宝石の見分け方】①ダイヤモンドとは【鑑定】【鑑別】

ダイヤモンド 宝石

宝石の中でもっとも有名なダイヤモンドについて解説します。

  • ダイヤモンドとは
  • ダイヤモンドの特徴
  • ダイヤモンドは中古とは呼ばない

ダイヤモンドとは

世の中の物質で一番の硬さを持ち、また美しさを兼ねた永遠性・希少性のある宝石です。

宝石の事を全く知らない人でも知っているぐらい有名な宝石ですね。

ではまず初めにダイヤモンドについて近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。

引用

ダイアモンド diamond

和名は金剛石。
ドイツ語 Diamant
フランス語 diamant
スペイン語 diamante
ポルトガル語 diamante

ダイアモンドの名は万物最高の硬さのため, ギリシア語の征服し難いという意味のa+ damaein に由来する。
化学成分: C (炭素)
結晶系 :等軸晶系
産出形状: 正八面体、十二面体、六面体の基本形結晶とそれらの組み合わせの各種の晶相を示す。

また、結晶面が湾曲したり、形状がゆがんだり、双晶やマクル、クリベージ、フラットなど多種の形状で産出する。

主な色:無色を基準とし、ファンシー・カラーとして黄色、褐色、青色、緑色、オレンジ色、ピンク色、鋼灰色など。
透明度:透明
光沢:ダイアモンド光沢
硬度:モー ス10, ヌープ5500~6950
劈開:八面体に平行な4方向に完全
断口:貝殻状
比重:3.52
光学性:単屈折性
屈折率:n2 .417
分散度:0.044
蛍光性:長波、短波共にピンク色、菫色、他各色蛍光。
分光特性:黄色石は415.5mmほか数本のケー プ・ライン、処理石は592mmに吸収ライン

カラー・フィルター:変化なし
インクルージョン:ガーネット、オリビン、ダイオプサイド、ダイアモンドなどの結晶、黒色。

産地:オーストラリア、コンゴ(旧ザイール)、ロシア (連)、南ア (共)、ガーナ、ナミビア、アンゴラ、シエラレオネ、ボツワナ、リベリア、タンザニア、ベネズエラ、中央アフリカ (共)、ブラジル、コートジボアール、ギニア、ガイアナ、中国、インド、インドネシアなど。

各産地の第1次的なパイプ状鉱体あるいは第2次的なダイアモンド漂砂鉱床より産出する。
他の無色透明石 (ダイアモンド ・ シミュラー) との鑑別はX線透過試験が有効である。
ファンシー・ カラーには人工着色のものが多いが、天然ブルー石は2bタイプ (ダイアモンドのタイプ) で導電性があるので、コンダクトメーターで明確に識別出来る。
色改善のコーティングの処理やインクルージョン除去のためのレーザ穴 (レーザ加工) には、未処理石との価格差があるので注意を要する。

宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏

ダイヤモンドの特徴

ダイヤモンドの特徴は大きく分けて3点です。

とても硬い

鉄の針などでダイヤモンドを引っ搔いてみても基本的に全くキズはつきません。
キズはつきませんが、元々キズがある部分や角の部分などは引っ掻くと欠ける場合があります。
硬さでは最強ですが、衝撃には弱いところもあります。
ハンマーなどで叩くと簡単に割れる場合があります。
炭素でできておりますので火をつけると燃えます。

とてもキレイ

ダイヤモンドは屈折率が非常に高いため、宝石に入った光を跳ね返します。
入ってきた光をさらにパワーアップさせて光るのでキラキラ輝きます。

これは宝飾用のダイヤモンドの場合です。

工業用のダイヤモンドは元々が黒かったり内部に不純物が大量に入っていたりと綺麗ではありませんので、光を跳ね返す能力は同じですが綺麗に輝きません。
また、輝かせるには綺麗にカットしていないと輝きが出ません。

良いダイヤモンドは永遠に綺麗に輝きます。

昔デビアス社が「ダイヤモンドは永遠の輝き」というキャッチコピーを出していたのもうなずけます。
衝撃に気を付けて大切にしていれば経年による劣化はありません。

油と相性が良いので、普段からよく身に着けている場合は汗や皮脂などで曇る場合も多いです。
しかし汚れても拭いたり洗浄すれば輝きが復活しますのでご安心下さい。

とても珍しい

ダイヤモンドは採掘される量が少ないです。
採掘されても綺麗でなければ宝飾用とはならずに工業用に回されます。
宝石店の店頭に並んでいるダイヤモンド達は基本的に選ばれし者たちなのです。

ダイヤモンドにはこういった特徴があります。
これらの特徴はダイヤモンドに限らず他の宝石にもすべてではありませんが当てはまる所は多いですね。

ダイヤモンドは中古とは呼ばない

それは永遠性と耐久性と希少性という3つの性質があるからです。
そして以前に使われたかどうかは誰にもわからないからです。

リサイクルショップは昔からありましたが、現在のようによく見かけるようになったのはここ10年ぐらいでしょうか。
洋服や靴やバッグなど、あらゆる品物がリサイクルショップに行くと豊富に揃っております。

それら以外にも車や家なども昔から中古として流通しておりました。

これらの品物は基本的にいつかは壊れたり劣化したりして永遠に使われることはありません。
そして時間の経過とともに基本的には安くなります。(ヴィンテージやアンティークは別ですが)

ダイヤモンドやカラーストーンの場合は素材自体の経年変化はありませんので中古だから安くなるわけでもないのです。
(その時の流通事情によって相場は変化します。)

最近では質屋さんや貴金属の買取店さんから宝飾市場に回ってくるダイヤモンドの流通量も増えております。

そういったダイヤモンドは一般的に還流ダイヤモンドと呼ばれますが、リサイクルダイヤやリメイク・リユースなどいろいろな名称でも呼ばれたりもしております。

宝飾加工業者がそういったダイヤモンドを使用してジュエリーを制作して普通に販売をしております。

指輪やネックレスなどの製品をそのまま販売すると中古になりますが、宝石のみの場合やゴールドやプラチナの貴金属のネックレスを溶かして再度インゴットにする場合は中古とはいいません。

宝石だけはそのままで指輪やネックレスの枠や土台だけをその時の流行に合わせて作り変えたりすることは昔から行われておりました。

キズや内包物がある宝石自体のリカットを行って修正や除去する場合もあります。

また紛争ダイヤの問題からキンバリー・プロセスという仕組みができ、ダイヤモンドのトレーサビリティができる仕組みはありますが、キンバリープロセスができる前のダイヤモンドは無数に流通しております。

中古と呼ばない理由は誰にも見分ける事が出来ない事と永遠性と耐久性と希少性があるからこそといえます。

もしかしたら今自分が持っているダイヤモンドは何百年前の人が使っていた宝石かもしれませんね。

夢とロマンを感じます。

以上「【宝石の見分け方】①ダイヤモンドとは【鑑定】【鑑別】」でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。