【貴金属の見分け方】⑥試金石と硝酸でチェック 【鑑定】
貴金属か金メッキや金張りかどうかを試金石と硝酸で見分けるポイントを解説します。
- 試金石検査とは
- 試金石検査に必要な道具
- 実際に試金石と硝酸で確認してみた
試金石検査とは
硬い石に金や銀などをこすりつけて条痕を確認して見分ける検査です。
それでは試金石について近山晶先生の宝石宝飾大辞典より引用させていただきます。
【宝石の見分け方】宝石宝飾大辞典 著者/近山晶【鑑定】
日本の宝石学の礎を築いた 故 近山晶先生が編集されました「宝石宝飾大辞典」を紹介します。この辞書は宝石や貴金属に携わる専門的な方にとってとても有効な情報が満載されている辞書です。
引用
しきんせき(試金石) touchstone金や銀などの貴金属の鉱石や、その合金の質を調べるために用いる石をいう。
この石に試料をこすりつけ、その条痕を既知のものと比較して検査する。通常、黒色で緻密な岩石が選ばれ、黒色のチャート質岩石や、玄武岩の一種であるバザナイトが用いられた。
小アジアのリディアのものが古くから知られていたので、リディアン・ストーンともいう。日本では、古くは金付石といわれ、那智黒が用いられてきた。
宝石宝飾大辞典新訂第3版 著者 近山晶氏
試金石検査に必要な道具
試金石
Amazonで検索すればいろいろ出てきます。1000円から3000円ぐらいで販売されております。
できれば表面がツルツルしている石を使うのが良いです。安い試金石は石の表面がザラザラの場合があります。
硝酸
昔は薬局で身分証明書と使用用途を提出すれば購入できましたが、現在は購入が厳しくなっているかもしれません。
試金棒
Amazonで検索すると7000円ぐらいで販売されております。
私の場合は金やプラチナの留め金具を試金棒のかわりに使用しています。
硝酸を使用して溶けるかどうかだけを確認する場合には使いませんので、無くても大丈夫です。
実際に試金石と硝酸で確認してみた
①試金石に確認する素材をこすりつけます。
②硝酸を少したらして、こすりつけた跡(条痕)を確認します。
条痕が溶けていた場合は金やプラチナではありません。
条痕が残っていれば金やプラチナの可能性は高くなります。
ヤケドに注意
強力な酸ですので触れるとヤケドします。試金石は使用後硝酸の部分をウエットティッシュでふき取って処理します。
試金石に硝酸をたらして確認する方法は反応がすぐにわかるので、貴金属の買取店や質屋さんでもよく行われている方法です。
磁石や比重のチェックと一緒に行うことで、貴金属かメッキのアクセサリーなのかを見分けやすくなります。
以上「【貴金属の見分け方】⑥試金石と硝酸でチェック 【鑑定】」でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
【貴金属の見分け方】③ ルーペでチェック 【拡大して見るべき3つのポイント】
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