【宝石の見分け方】鑑別⑥-1 簡単に比重を測る方法(静水法)【鑑定】
今回は比重検査で使用する宝石貴金属比重計がない場合に簡単に比重を測定する方法をご紹介します。
比重検査の方法は静水法で行います。
- 宝石貴金属比重計とは
- 比重検査に必要な道具
- 実際に宝石の比重を簡単に測定してみた
宝石貴金属比重計とは
宝石貴金属比重計は水を使って比重計算に必要な重さを計測し計算する器具です。
こちらは買取店や質屋さんでよく見かける宝石貴金属比重計です。
手軽に比重が計測できる便利な器具です。
・比重とは宝石の密度と水の密度との比です。
・密度とは単位体積当たり質量です。
比重=物質の質量 / 同一の体積を有する水の質量
要するに宝石貴金属比重計とは
普通に重さを計測し、次に水中の重さを計測して割り算をしてくれる器具です。
便利な器具ですが宝石貴金属比重計は専門器具ですので購入するとなると高額です。
Amazonで「貴金属比重計」で検索してみるといろいろ出てきますが、なかなかの金額ですね。
ちょっとだけ調べたい場合は購入は難しいです。
そんな比重計ですが、わざわざ購入しなくても道具さえあれば比重値と調べることができます。
比重検査に必要な道具
普通の重さと水中の重さが計測できれば比重計は必要ありません。
静水法で比重を計測する際に必要な道具です。
①0.1gまで計測できる秤(電子スケール)
秤はキッチンで小麦粉などを計測する秤でOKです。ただし0.1gまで計測できる秤が必要です。
(0.1gの違いで比重値の値が大きく変わってしまいます)
この電子スケールは0.01gまで計測できます。
②計量カップ
これは100均などで販売されているので入手しやすいです。
今回は目盛りが入っているほうが解りやすいという観点から計量カップを選択しました。
ご自宅にあればそれでもOKです。軽量カップでなくても紙コップでもOKです。
③お茶をこす網
これも100均などで販売されているので入手しやすいです。
今回使用するコップより小さい網を用意してください。
④ポップホルダー(クリップ)
これも100均で購入可能です。
水の中に吊るすためのものですが、ほかに代用品があればそれでもOKです。
⑤アクリルサインホルダー(ポップスタンド)
これも100均であるかもしれません。
ポップホルダーを支えるのにちょうど良い大きさの土台に使います。
代用品があればそれでもOKです。
⑥テグス
これも100均で購入できます。
釣り糸や普通の糸でも代用可能です。
セッティング方法
①茶こしにテグスを通す
水の中で浮いていれば大丈夫ですが、なるべくバランスが良い感じでテグスをセッティングします。
②ポップホルダーをアクリルサインホルダーにくっつける
③ポップホルダーに茶こしを引っかけて軽量カップに入れる
比重を測るときには計量カップには茶こしが完全に沈むぐらい水を入れてください。
これで比重測定セットの準備は完了です。
実際に宝石の比重を簡単に測定してみた
今回はこのサファイアを使って確認します。
サファイアの比重値は3.99から4.05です。
①サファイアの重さを計測
重さは4.84gです。
②秤をいったんOFFにして比重測定セットをセッティングする
サファイアをどけて、計量カップをセッティングします。
秤に載せるときに中の網がコップの底に当たらないように注意してください。
(水の中でサファイアが浮いた状態で計測を行うため)
③水の揺れが収まってから秤の電源を入れる
重さがゼロになっていることを確認します。
④静かにサファイアを網の中に入れる
網に入れたら気泡がついていないか確認してください。
ある場合はサファイアを揺らすか箸などで少し動かして気泡を取り除いてください。
⑤水中での重さを確認する
少しの風でも数値が動きますのでクーラーや扇風機を使っている場合はそれらを一旦止めてから確認してください。
重さは1.21gです。
宝石の重さを水中で計測した数値で割ると比重値となります。
4.84g / 1.21g = 4 比重値は4です。
サファイアの比重値は3.99から4.05ですのでOKですね。
このように簡単に比重を計測することができました。
比重検査の注意点
①ルース(裸石)でないと計測ができない
②小さい宝石は計測が難しい
これらの注意点については【宝石の見分け方】鑑別⑥ 比重検査【鑑定】に書かせていただきましたのでよろしければこちらをご覧ください。
【宝石の見分け方】鑑別⑥ 比重検査【鑑定】
宝石を見分ける際に必要な検査の一つである比重検査の方法を紹介します。比重検査は重液法と静水法があります。宝石によって比重値は異なりますのでそれを確認することができます。比重検査に必要な道具やポイントを解説します。
以上「【宝石の見分け方】鑑別⑥-1 簡単に比重計を作る方法(静水法)」でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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